里山LIVE「森の音なみ」

5月16日(日)、千葉県四街道市Y・Y・NOWSONにてミュージックライブ「森の音なみ」開催しました。今年1月にツリーハウスの下で開催して、2回目になります。
里山の自然を感じながら野外でライブ予定でしたが、当日は小雨。天気予報や雨雲レーダーとにらめっこしながら悩みに悩み、機材のことを考え敷地内のお屋敷で開催することにしました。

でもここ、ただのお屋敷ではないのです。日本画家である田中一村氏のアトリエだった場所で、一村氏の作品も所々に飾ってあります。150年もの歴史のある建物とのことで、とても素敵な雰囲気の大広間で、窓は開け放して開催しました。

昼の部は、ピアニスト益山真理子さんと二人で、オリジナルのストーリーを語りで入れながら音楽をお楽しみいただきました。2020年に四街道市の「がんばろう四街道動画プロジェクト」で提供させていただいた楽曲「新しい日々」と「みらいのこえ(タイトル未発表)」など全10曲をお楽しみいただきました。(現在「新しい日々」はiTunes等でデジタル配信中

そして夜の部ではピアニスト益山真理子さんに、ベーシストの岩切信一郎さんをお迎えしてトリオでの演奏となりました。

夜の部では四街道産の「食」を演目の中に入れさせていただきました。
事前に四街道市鹿放ヶ丘のトマト農家、大澤農園さんの畑にお邪魔して色々とお話を伺ったことをもとにショートストーリーをつくり、音楽と語りを交えてお楽しみいただきました。

事前に大澤農園さんを訪問した際につくった映像音楽


四街道市内で地元の食材を使った様々な食の活動に携わっている、毛見さんに作っていただいたトマトスープ、そして四街道産小麦のやさしい味わいを前面に出すように時間と手間ひまをかけてパン職人の森田さんが手作りしたパンをご用意しました。

イベント内で披露させていただいたショートストーリー。少し長いですが以下ご紹介します。

4月の終わり
四街道市鹿放ヶ丘の大澤さんのトマト畑は
早くも初夏のような暑さだった
 
土の香り
青々とした葉っぱに
可愛らしい黄色のお花
緑色の実がなり
赤い実は下の方に隠れてる
 
昨年の夏に種を植え
まるで赤ちゃんを育てるみたいに
まだ弱っちい小さな小さな芽を
専用のプランターで育て
1ヶ月後にはまた
少し大きいプランターのお部屋を用意して
さらに1ヶ月
ようやく畑デビューする
 
「うちはそんなこだわりなんてないから」
と最初は遠慮がちなご主人も
お話を伺っていくうちに
照りつける太陽の中
笑顔を輝かせて話してくれた
ハウス栽培の大澤さんのトマトは
12月から実をつけ始める

「赤くなるまでが長いと、その分味わいの濃い美味しいトマトができるんだ」
自慢げにそう話す大澤さんの愛情に応えた 赤い実たち 
葉っぱの間から なんだか光ってみえた
四街道市鹿放ヶ丘は戦後、
農地として開拓された
 
もともと軍用地だったため
戦車や馬に踏み固められてきた荒地
振り下ろしたクワも
跳ね返されるほどだった
 
戦時中、リーダー候補として招集された
15歳前後の優秀な少年たちが
終戦後、四街道に派遣され 
村づくりの手伝いをしながら時間をかけ
徐々に耕していったという
 
トマト農家の大澤さんをはじめ、
小麦農家さんも戦後から始まり
今に続いている
 
現在、その小麦は
ここYYNOWSONでも製粉されている
 
小麦本来の風味を
できるだけシンプルに表現したいと
パン職人森田さんがつくった
味わい深いパン
通常ミキサーマシンを使って
水と粉をあわせ生地にする工程を
16時間寝かせたのちに
一つ一つ手作業でつくるすることによって
風味が生きたパンに焼き上がった
 
そして四街道の農家さんとの関わりを大切にしながら、
食に関する多くの活動携わる毛見さんがつくったトマトスープ
毛見さんは大澤さんの農園に私を案内してくれた
「次はこんな野菜つくってみてよ」なんて話を
大澤さんとふたり 楽しそう話している
つながりから生まれる 食材と料理
人々の想いからできあがったその味わいを感じてみてください。

(詩 ゆうなみ)

夜の部では、4月にiTunesやAppleMusicのMVランキングJAZZ部門で1位にもなった「MOON WALTZ」や久々の「Special Day」などアンコール含め10曲演奏しました。ベーシストの岩切信一郎さんが加わると、音圧だけでなく雰囲気もまた素敵に変化したように感じました。

この日、本当はツリーハウスの下での演奏をお見せしたかったという思いが強く、アンコールの後、イルミネーションが素敵なこの場所でアンプラグドで少し演奏しました。

夜の部にご参加くださった皆様、そして配信ご覧いただいた皆様、お付き合いありがとうございました!
何だか笑顔満開すぎる一枚。

素晴らしい環境の中でこうして演奏させていただけるのは、事前に準備でご協力くださったY・Y・NOWSON村長の岡田さんや里karaスタッフをはじめ、当日力を貸してくださったスタッフの方々、そしてこのイベントにご参加くださった皆様のおかげです。
本当にありがとうございました。

お屋敷の入り口ではここ、Y・Y・NOWSONで採れた野菜の販売や飲み物のご用意、そして四街道市内のベーグル屋さん「べーぐるきっちん」さんが出店してくださっていました。

最後に、このページでご紹介させていただいた数多くの素敵な写真を丸1日かけて撮影してくださったのは、私のデジタルリリース作品「エール」「新しい日々」のジャケット撮影もしてくださった、齋藤久光さんです。ありがとうございました。


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