2021年夏から半年かけて取り組んできた、千葉県四街道市での音楽づくりワークショップ。
前回の投稿で制作の道のりをご紹介しました。
今回は完成した8曲を、私の仮歌とともにご紹介させていただきます。
1.「想い出のスノードーム」 作詞:ROSE わくわく楽しみ 自分だけのハワイ 世かいに一つだけの 空想の中で 海のような世かい すなはまのダンス すながキラキラ わたしのスノードーム
ハワイアンリゾート施設に遊びに行った時につくったスノードームをテーマにした曲です。
手におさまる、自分だけのハワイ。「自分だけの」という言葉選びが絶妙で、キュンとします。そこから空想の中で繰り広げられるキラキラとした世界観がメロディや編曲によって表現されていて、ROSEさんらしい可憐な曲に仕上がっています。
2.「うみとサイクリング」 作詞:かよすけ かぞくみんなで サイクリング ちょっとつかれた まだまだいける! うきうきわくわく うみについた ドキドキしたよ! なみがきらきら はいりたかったよ!
家族で海辺をサイクリングした時の思い出を描いた曲です。
うきうきわくわく心が弾むようなシーンに、聞いている側も心ほぐれる作品です。メロディはご本人が作曲時に積極的に歌い、その場でピアニストの益山さんが取り入れながらできあがりました。このジャケット写真のように、笑顔が素敵なかよすけさんの心から家族との時間を楽しむ姿が目に浮かびます。
3.「ハワイのいろ」 作詞:さくら かぞくでいったハワイ 4さいのとき にじをみた あおとみどりと きいろとあか うみのなかは きれいで うすいみずいろ きらきら
家族でハワイ旅行した時のワンシーンを曲にしました。
「4さいのとき にじをみた」このワンフレーズがとても印象的で、きっと初めて虹を見たときの感動がこの1行に表現されています。虹の色は、大人だと七色と答える人が多いと思いますが、さくらさんの記憶に残った色が4色あって、それを一色ずつ歌詞で振り返ることで、よりその時その場所だからこそ見えた景色なのだと想像することができます。ご本人歌唱音源の方では弟さんも一緒に一部歌ってくれています。
4.「うちゅう」 作詞:あずっち きしゃでやまをこえよう うちゅうじんのおしろに しゅっぱつだ ないてわらって バキュンバキュン 100かいいきたい ゆめのしろ
ディズニーランドのアトラクションに乗った時の思い出をテーマにした曲です。
あずっちさんはこの歌詞を描いた時にすでにイメージがあり、テンポの速い曲がよいとリクエストしてくれました。そのリズムに合う勢いある言葉のセレクト「しゅっぱつだ」「バキュンバキュン」からアトラクションの楽しさに夢中になっている様子が浮かび、聞いている人も楽しい気持ちにさせてくれます。ご本人歌唱音源ではお父さんと一緒に歌っています。
5.「友達」 作詞:コスモス みんなでむかえた てんこうせい はずかしがりやの 女の子 いっしょにあそぼう 仲よくなった いまでは しんゆう
コスモスさんの親友、外国人の転校生のことを歌った一曲です。
とってもピュアで恥ずかしがりの彼女が紡ぐ歌詞にのせたい曲のイメージは童謡「クラリネットこわしちゃった」のようなメロディとのこと、作曲時に伝えてくれました。楽しげな雰囲気で入ってくるAメロの先、サビでは仲良くなれたことを誇りに思っているコスモスさんの嬉しさを感じ取ることができます。
6.「仲間」 作詞:うみは 光る汗 はじける笑顔 つながるパス つながる心 ボールと一緒に 心がはずむ 仲間とよろこぶ いつも同じ
バスケットボール部に所属するうみはさんが仲間とバスケットボールをしている様子を描いた曲。
歌のはじまり「光る汗 はじける笑顔」からもうその様子が目に浮かぶようで曲に入り込んでしまいます。メロディもとても躍動的で歌詞との相性が抜群です。作詞の際に歌詞の終わり方を悩んでましたが、特別な大会ではなく日常の中に仲間との喜びがあることを歌いたいとご本人がお話してくれていましたので、「いつも同じ」という部分はじんわり胸に響きます。
7.「海のぼうけん」 作詞:みさお 空とくっついたような 真っ青な海 あったかい海の水 色んな色の サンゴのおしゃべり ウミガメが大きくて ドキドキワクワク 小さなお魚も たくさん見えて 絵本の世界に 入ったみたい
家族と旅行先の海で出会ったウミガメやサンゴを印象的に描いた曲です。
みさおさんの言葉のセレクトは大人でも真似したいと思えるくらい、詩的でファンタジックだと思いました。「空とくっついたような海」「サンゴのおしゃべり」という表現がまさに「絵本の世界」という世界観にぴったりで、すんなりとみさおさんの描く世界に入っていけます。
8.「ありがとう」 作詞:にいな 楽しそうに 歌っている クラスメイトの 優しい笑顔 一人じゃない みんなが居てくれて よかった 心から ありがとう
中学校の合唱祭でにいなさんが指揮を務めた時のことを歌った一曲。
指揮者としてクラスのみんなを見守り導きながらも、みんなが居てくれることに安心感を覚え、感謝の気持ちが沸いてくる様子がやさしく胸に響いてきます。きっとクラスメイトを取りまとめる大変さもあるだろうなぁ…と想像できますが、それを包み込むような様子を穏やかな言葉から感じとれる作品です。
改めて、素敵な8人のアーティストさんの音楽づくりを一緒にしていく中で心洗われるような感覚を覚えました。
そしてそれぞれの個性が出た素晴らしい曲に出会え、個人的にもとても楽しませていただきましたこと、感謝しています。
未来に渡り、作品をつくった子どもたちご本人だけでなく、曲を聞いてくださった人々に「楽しい」気持ちが伝わり広がっていったらとても嬉しいことだなと思います。
音楽づくりワークショップ講師&作詞サポート:ゆうなみ
作曲&編曲:益山真理子
レコーディング&ミックスマスタリングエンジニア:Tecy Vegas